オートバイはメタボ改善に有効か?

  先日掛かり付け医にて血液検査を受けた。以前から定期的に受診している中性脂肪及びコレステロールに関する検査だ。いつ頃からだったか忘れてしまったが気が付けば健康診断を受ける度に前述の項目等成人病に関する項目の値がほぼ危険なレベルになっていた。それで五十代の後半辺りから半年に一回の割合で掛かり付け医にて定期的に血液検査を受けるようになった。要はメタボで生活習慣の改善が必要となったので運動に精を出しつつ定期的に医療機関で検査を受ける必要のある体になってしまったのである。

 この日は通算で何回目の検査だっただろうか?

 そんなことも忘れてしまっていたのだが、今回の結果は意外なものだった。

「どうせ悪いまんまなんだろうなぁ……」と思いつつ診察室に入ると医師の前の机の上には血液検査の結果と思われる紙が置いてあった。椅子に座るや否や早速医師からその紙(やはり検査結果の紙だった。)を見せられ今回の検査の結果の説明を受けた。

 詳細は割愛するが血液検査の結果は「改善されている」ということだった。それまで中性脂肪や悪玉コレステロールの値がけっこう悪くて、結果次第では何かしらの薬を定期的に服用するようなことが視野にあったのだが、今回の結果を見るにそんな必要はまったくないとのこと。具体的には中性脂肪の値が下がり、悪玉コレステロールの値もいきなり基準範囲内にまで下がっていた。更には善玉コレステロールの値が、まだ基準値には満たないものの以前よりは上がっているとのこと。糖尿病に関する値もまったく問題なし。

 正直、「へぇ~っ」って思った。これまで半年ごとに血液検査を受けていたがずっと「変わらず」もしくは「若干悪化」だったのに改善されていたからだ。

 医者からは「最近日常生活で何か変えたこととかあったりしますか?」と訊かれた。医者もおそらくこの結果が予想外だったのだろう。その問いにまず「特に何も変わっていないです」と答えた。相変わらず仕事は自宅でのテレワークが中心だ。特にその気にならない限り運動なんて(歩くことさえ)していない。歩いたりするのは週に1~2回の出社の日に自宅と駅の間(2Km程度)を往復するくらいだ。はっきり言って「運動」と呼べるようことなんてまったくと言っていいくらいしていない。

 では改善した原因は何か?

 ちょっと考えて「ああ、もうこれしかないわ」と思った。

「強いて前と変わったことを挙げるとすると週末にオートバイに乗ってあちこち走り回るようになったことです。それしか思いつかないです」

 私のその答えに医者は特に何も反応しなかった。やはり医者の頭の中にはそういった説と言うか考えってもんがないのだろう。しかし私には本当にもうそれしか思いつかないのだ。前回受診したのは3月末。(その時の検査結果は相変わらずまったく褒められたものではなかった。)それ以降暖かくなったからアドレス(125ccスクター)で週末にあちこちに行き始めた。梅雨に入って一時的に中断した時期があったもののそれは続き、猛暑になっても朝早くから大汗をかきつつ琵琶湖北部まで走りに行ったり、大阪の能勢町や兵庫県の猪名川町のワインディングロードに走りに行ったりした。そして猛暑真っ只中の8月上旬にレブル250にて本格的にオートバイにリターンしてからは週末には必ずどこかに走りに行くということを続けている。

「オートバイで走る」と聞くと楽ちんのようなイメージがあるが実はけっこうな体力を使うんだな、これが。

 経験者ならおわかりかと思うが、走っている間は気が抜けない。そして停まっている時だってやっぱり気が抜けない。125ccスクーターのアドレスの車重が約100Kg。レブル250だと約175Kgある。もちろんそれを持ち上げるようなことはしないが取り回しの際に体にかかる重さは相当なものだ。レブル250だと取り回しがまだ楽な方だと言われるが、それでも還暦超の体にとってはけっこうな負荷である。そんな車体に跨り、いつ何が(例えば信号待ちの際や走り出した際の立ちごけとか単純にバイクを取り回している際の立ちごけなど)起こるかわからないから自然と体にはずっと力が入っている。だから走っている/停まっている、に関わらず実は相当に体力を消耗する。こういうことがやはり運動と同じような効果を生んでいるんじゃないだろうか? 私には本当にそうとしか思えない。

 五十を過ぎて以降季節に関わらず気を抜くと腹が出てくるようになった。例えば大食いしたり間食が多かったりするとそれは如実に現れるし家に燻って怠慢な日々を送ったりすると、やっぱりあっという間に腹回りが苦しくなったりするのだ。そして健康診断の結果欄には最悪レベルもしくはその一つ手前の判定記号がでかい顔をして居座る。それを見て「ヤバイなぁ」と思った私はその場凌ぎの運動をして何とか「ギリギリセーフ」の状態に(一時的に)戻す。そんなことの繰り返しをさんざん続けてきた。しかしこの度はそんなことは一切やっていない。ということは、やはりこれは「オートバイ効果」か? いや、それしかないではないか。

「楽器を弾くと老化防止になる」とよく耳にする。頭で考えつつ体で楽器を操作すると脳に程良い刺激が与えられるらしい。例えばピアノ。例えばギター。どちらも目で見て頭で考えて刹那的な判断と体(指)への指令を行う。もちろん楽器に限らず頭で考えつつ手指を動かすといった行動は老化防止に有効らしい。そういう意味ではマニュアルのオートバイに乗るのもその類だ。目で道路と周辺状況を見て判断し左手でクラッチレバーを操作しつつ左足で適切なギアを選んで右手でアクセルを回す。そして必要に応じて右手で前輪ブレーキレバー操作しつつ右足で後輪ブレーキの操作をする。言ってみれば目、耳、頭、両手、両足を適切に連携させることを必要とするものだからやはり間違いなく老化防止になるだろう。事実、諸々のメディアでそういった話がよく取り上げられている。

 だがこの度の自分の、これまでの(オートバイに定期的に乗るという)体験は脳の老化防止だけではなく、実は相応の体力の消費、つまりカロリーを消費するものであるという仮説をも露にしたとは言えないだろうか? 

 ちょうどこれからもまだまだオートバイに乗り続けるつもりでいるので、今後この仮説の検証をもしていきたいと思う。っそいて折に触れてその状況も公開していこうと思ったりしている。(どこまで続けるかわからんが……)

 ちなみにギターを弾きながらでっかい声を出して歌うのも老化防止に有効だ。ギターを弾くこと自体が脳に刺激を与えているが、加えてでっかい声を出して歌うと自ずと腹筋が鍛えられる。喉だけで声を出そうとしてもそうそう出ないが腹筋を意識して腹式呼吸をしながらだと練習次第でけっこうな声量を得ることができる。そしてその行いが(私個人の感想ではあるが)例えばポッコリお腹なんかには有効だと思う。ただ、でっかい声で歌うっていうのは近所迷惑になり兼ねないので一軒家ならともかくマンションやアパートだとなかなか難しいというのが玉に瑕である。

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