もうたくさんである

 ■先週のいつだったか忘れたが入社式の様子を伝えるニュースを見た。「ああ、そうか。今はそういう時期なのだ」と思った。今の会社に転職して以来、中途採用者の入社というイベントは偶にあるものの、新人の入社というイベントは皆無である。そもそも中小、いや零細企業であるからして世間でよく見る新人の定期的な採用はしていないから、そういうイベントの類は存在していないのである。そういうこともあって4月1日を迎えたからと言って新人が入社してくることはない。いや中途採用でさえなかなか入ってこない零細企業にはそもそもほぼ関係のないことなのかも知れない。

 それにしても今年の新卒の初任給の額を聞いて羨ましく思った。大手の銀行で約5万円アップで25万円ほど。中小でも2~3万円アップで23万円くらい。私が新卒で入った頃の世間の相場は14~5万円だったことを思うと本当に増えたものだと思うのだが、バブル崩壊がなく失われた30年なんてものがなかったら今頃はもっともっと高額になっていただろう。そして新入社員だけでなく既存社員の給料も、今よりは格段に高騰していたんだろうね。それを考えると「今頃やっと……」という感も拭えない。


 しかし初任給が5万円も上がった会社って、やはり既存社員の給料も同じくらいアップしたのだろうか? もしアップしていないのならきっと腹立たしいだろうな。世の中今は完全なる売り手市場だから、どうしても既存社員の分は抑えて新たな採用を増やすために投資することになってしまうんだろうね。

 まあそれでも最近はベア満額回答ってニュースに代表されるように世間の給料相場は基本的に「賃上げ」だ。中小零細はさほどでもないかも知れないが世の流れはやはり「賃上げ」なのであろう。


 しかし私には何もかもが無縁だ。無縁どころか逆だ。


 ぶっちゃけこの春から数万円のダウンを食らった。理由は要約すると高齢、そして(年齢による?)パフォーマンス及び生産性の低下等により給与に見合う働きができていないから。

 定年は65歳。しかし結局のところ60歳で定年退職して退職金をもらって再雇用で給与ダウンという、世間でよく耳にするパターンとさほど変わらん。いや定年退職していないので退職金はもらっていないから、ひょっとしたらそれよりも質が悪いかも知れん。65歳になるまでには更に数万円のダウンがありそうなので退職金自体も実質カットされることになるのだろうから突き詰めて考えてみると「悪質」なのかも知れない。

 まあ所詮はお山の大将タイプの経営者の零細企業なんて、どこもこんなものである。転職した際は「ここはまだましみたい」と思ったが結局他と大して変わらんかった。つまりお山の大将タイプの経営者の思考パターンなんてどこも変わらんということである。


 それにしてもいいなぁ、若い人。でも、じゃあ神様がもう一度身も心も新入社員に戻してやるから、また40年くらい働けって言われたらどうする?


 いやいや、そんなのOKするわけがない。


 もうウンザリ。


 もうたくさんである。

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