このバイク屋は……(1)
■先日、レブルの24カ月(1年)点検を購入したバイク屋さんで受けた。初回点検のように無料ではなく有料のものである。購入時に「メーカー保証が3年あり何かあった時にそれが間違いなく受けられるよう、きちんと定期点検は受けてください」と店員さんから言われた。保証をきちんと受けたいのはもちろんだが、それ以前に安全に乗り続けたいから(車検のない250ccバイクであることもあって)定期的な点検は、それが有料であっても基本的には受けようと思っていた。今のレブルに特におかしいと思える様子はなかったが前述のこと、及びオイル交換をせねばならないということもあって購入したバイク屋さんに点検とオイル交換をしてもらったのである。
それで思うことがあった。以前からバイク屋さんに対して思っていたことなのだけれど、今回その思いが一層強くなった。今回の経緯を含めてその思いを書き綴る。
レブルを購入したのは自宅から結構離れた隣の市にあるバイク屋さんでバイクで行くと20分くらいかかる。どうしてそんな場所にあるバイク屋さんで買ったかと言うと新車ではなく中古で探していて、昨年の7月にネットのバイク検索サイトにて見つけたからだ。そして店で現物を見て気に入り、8月に納車したのだが納車時に、その2カ月前の6月が初年度登録であったので来年(つまり今年)の6月に(前述のメーカー保証の件もあって)24カ月点検を必ず受けるように言われた。
私としては(自分勝手な思いかも知れないが)、いくら中古車であっても、そのバイク屋さんで買った以上、そのバイク屋さんの顧客として登録されるであろうという感覚で、すなわちそれは車のディーラー等と同じように、点検等の何かしらのイベントがある際は、やはり事前に何かしらの連絡が(営業の意図も含めて)あるのだろうと思っていた。特にこのバイク屋さんは修理点検は基本的には自店で購入されたバイクしか受け付けないというスタンスであったので、なおさらそう思っていた。だからある意味「鬱陶しいかも知れない」とも思っていたのだが、購入してから約1年近く経った結果から書くと、そういった連絡はまったくなかった。いや連絡がなかったどころが、顧客とさえ思っていなかったんじゃないかって感じた。
バイク屋さんに限らず、購入した後は連絡が全然ないっていうのは、あるあるじゃない?
言われてみれば確かにそうだ。何かでかい買物をする時って担当者から何だかんだで連絡が入るが買った後は、あっという間に静かになる。バイク屋さんだってそうなったって全然おかしくはない。
しかしこのバイク屋さん、やっぱりちょっと接客というか顧客管理がイマイチだった。
というのも今回の点検を受けるにあたり数日前にこちらから事前に電話連絡をしたのだが、以下その際のやり取り。
まず最初に昨年そちらの店でレブルを購入した者だと伝えた。こちらとしては名前とかを訊かれるだろう思っていたが、そんな返事はまったくなし。単に「どういった御用でしょうか?」という対応。それでこっちから経緯(購入時に中古車ではあるが初年度登録から3カ月しか経っていないので、1年後に点検を受けてくれとそちらから言われたこと等)と点検及びオイル交換をして欲しい旨、そして名前をも告げた。すると、予約制ではないので、いつ来て頂いても構わないが来て頂いたお客さんの順に対応しているので場合によってはかなり時間がかかることになるかも知れない、と言われた。私としては予約制でない以上待つのは仕方がなく、それでも構わなかったので結局次の土曜日の午後2時くらいに店に行くことになった。ちなみに電話に出た店員さんは購入当時の担当者で私のことを覚えていたかどうかは不明だが、あの口ぶりではおそらく覚えていなかったようだ。(これについては仕方がない。いくら客商売だからって購入した人と名前を全部覚えられるわけがないのだから。)
そんなこんなでバイク屋さんに連絡し一応話を通したので、あとは実際にバイク屋さんに行けばすんなり受け付けてくれるだろうと思った。
約束の日の土曜日にレブルに乗ってバイク屋さんに向かった。道が少々混んではいたが午後2時前には無事に店に到着した。思えばこの店に来るのは納車日以来だった。納車後レブルに問題はまったくなかったからこの店を訪れる必要性は発生せず。また自宅から少々遠くにある店だから何かのついでに立ち寄るという機会もなかった。
入口前の駐輪場にレブルをとめて店に入って受付に行こうかと思ったが、その前にその場にいた店員さんから声を掛けられたので名前を告げた。もちろん事前に電話を入れていること、そしてその際の担当者の名前も告げた。私としてはそのまますんなり受付けられるなり作業に入るなりされるのであろうと思った。
しかし、「しかし」である。その店員さんが口にしたのは「今日はどういう御用ですか?」であった。
詳細は割愛するが結局その場でもう一度一から全部話をした。はっきり言って事前に電話連絡して話していたことなど、まったくの無意味だった。そして受付に通されることもなく、その店員は作業に2~3時間ほどかかるかも知れない旨を私に告げると共に作業終了時に連絡する電話番号を聞いてきたからそれを伝えると、店員はそれを紙きれに書き、そしてレブルを作業場へと押して行った。
この人本当にこの店の人間なのだろうかと一瞬不安になったが作業場に入って周りの他の店員と話をしていたから大丈夫だろうと思った。(それにしてもこういう一抹の不安を客に与えるのってどうなんだろう??)
無事にレブルを店に託したのと作業に2~3時間ほどかかるかも知れんということで、私は必然的にどこかで時間潰しをせねばならなくなった。最初は店で待っているつもりでいたが、さすがに2~3時間も店内でボーッとしているのは無理だろうと思えたので、どこに行くかを考えた。
暑いから室内でないとダメ。更にはあっちこっち動き回るのは嫌だったから少なくとも2時間くらいは居続けられる場所でないとダメ等々。
検討した結果、パチンコ屋で時間を潰すことにした。今のパチンコ屋は店内に休憩スペースがあってパチンコをしなくてもそこにあるテレビを(音声はなく字幕であるが)観ることができる。それに今や完全禁煙なので煙草臭くなることもなく、しかも冷房が効いているから時間潰しには最適だ。
そういうことで行ったことのあるパチンコ屋に向かった。そしてそこでじっとテレビを観るだけで終わったかと言うと、やっぱり……。それはご想像にお任せします。
パチンコ屋で時間潰しをし始めて暫く経った頃に何気にスマホを見た。バイク屋さんを出てから1時間半も経っていない頃合いだ。そこにはバイク屋さんからの不在着信の表示があった。こんなに早くに連絡ってバイクに何か問題があったのだろうかと思い、すぐにバイク屋さんに電話した。
電話に出た相手に名前を告げた。すると相手の反応は「どういった御用でしょう?」という類のもの。正直言ってこの時ばかりはこっちが「???」であった。この店には(整備も含めて店員さんが何人いるのか知らんが)業務連絡というか情報共有というか引継ぎのようなものはないのであろうか?
仕方がないからまた諸々を話す。すると「お待ちください」の旨を告げられ、暫く待って漸く整備担当らしき人間が電話に出て作業が終わったと言った。
「2~3時間かかるかもって聞いてたけど、何やえらい早かってんなぁ」
ここまでのこのバイク屋の一連の振る舞いもあってちょっと機嫌が悪化した私は思わず皮肉っぽくそう言いそうになったが、それをグッと飲み込んで、暫くしたら行く旨を告げて電話を切った。
それから30分くらいして店に戻った。店内に入って受付にて名前を告げた。さすがに話は通っているだろうと思っていた。しかし受付にいた人からまたも「本日はどのようなご用件でしょうか?」の旨を言われた。
思わず天を見上げた。(もちろん室内なので天は見えなかったが……)どうやらこの店には業務連絡の類は存在していないようだ。大きくはないが会社として運営しているもとでの店舗なのになぁ。
ここでもまた諸々を説明。するとすぐに後ろの棚から何やら紙を取り出してきた。それは今回の作業に関する明細及び請求書だったのだが、最寄駅から数キロ歩いて来て店内に入っても更に立ちっぱなしだった私は思わず「ここに座っても構わないか?」と椅子を指さして尋ねたところ、今日この店でやっと椅子に座ることができた。
私がもし世間でよく見られる「キレるジジイ」であったら、きっと間違いなくこの時点でキレまくっていたであろう。下手をしたら今世間を騒がせている「カスハラ」にも至ったかも知れない。しかし幸か不幸か、はたまた気が弱い人間であるからか、それとも良識ある大人であるからか、いやいや単に疲れていてさっさと終わらせたかったからか、もう何も言及せずにお金を払った。そしてやっぱり最終的に私は「もうこの店に来ることはないだろう」と思った。預けていたヘルメットが受付の机の上に(誰でも持って帰れるような感じで)無造作に置かれていたこと。そしてそれを持ち帰る際に本人確認することもなく軽く受け流されたことが、その思いに至る「とどめ」となったのであった。
これ、もし紛失したってことになったら、どうするのであろうか。店が弁償してくれるのだろうか。それとも店はそこまで責任は持たないってスタンスで「それでも良ければ」で預かっているのか。(もちろん預けた際にそんな説明なんてまったくなかったが。)まさかとは思うが私のヘルメットが有名どころでない比較的安いものだから、そんなところに置かれていたなんてことはないだろうな。(もしそうだったら本当にそんな店との付き合いなんて金輪際こっちからお断りであるが。)
そんなこんなで店を出る際も大したお見送りはなし。よくYOUTUBEで観る動画には客が帰る際には担当者が交通整理しつつ見送る場面がよく出てくるのだけれどね。そんな店の方が実は珍しいのかしらね。
「このバイク屋は……(2)」に続く。
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