備忘録 8月15日(木)

 ■8月15日(木)

 午前8時過ぎに起床。朝飯を食らった後、いつもの掃除機掛け等の家用をこなす。

 午前9時過ぎに連れ合いに訊いた。

「休み中に一日くらい車でどこかに行きたいって言っていたけど、どうするの?」

 連れ合いの答えは、「どこかに行きたい気持ちはあるけど……」

 これはつまり「強いて行きたい場所はない」、でも「どこかに行きたいから」私に「どこかに連れていけ」ということである。

 昔はこういうやり取りがけっこうあった。例えば子供がまだ小さい頃、休みになると私にどこかに連れていけと言っていた。それで「どこに行きたいのか?」と訊くと「そこまで私に考えさせるの?!」とご機嫌斜めに。乱暴な言い方をすると「誰かさんは毎晩遅くにならないと帰ってこなくて、毎日ほぼ一人で子育てしてるのだから休みの日の予定くらいはオマエがあれこれ考えて提案しろ!」ということである。

 これは一聞すると「ごもっとも」と思われそうだが、私は私でブラック業界で毎日終電間際まで仕事に追われてボロ雑巾のように働き、クタクタになって帰っていたから(休日は家でゆっくりしたいという気持ちも強かったこともあり)連れ合いの一方的な(さもそれが当たり前であるかのような)要求に内心で憤慨したものであった。それでその要求を拒否したかというと、やはりそうも行かず、少しでも父親としての責務を果たしたいと思って疲れた体に鞭を打ってどこかに連れて行くということをしたのであった。

 ただそういうことは子供が大きくなるに従って親離れしていったことで少なくなり、そして私や連れ合いも相応にいい歳になり「今更二人で出かけてもねぇ……」というのが普通になった。それゆえ二人で買物に行くことはあっても、二人でどこかに遠出するということは、ほぼ皆無になっていた。

 ではなぜこの度はそういうことになったのかというと、昨年から私はバイクにリターンし暇があれば一人でバイクに乗ってあちこち好きに走り回っているのだが、連れ合いは月に一度友人と都心部に遊びに出かける程度。単純に比較すると私ばかりがあちこちに出かけているように思えたので、この度は私が気を使ったのである。そうしないといつ「自分ばっかり好きなところに行って……」と愚痴られるかわかったものでないし、過ぎるとバイクに乗ること自体にアレコレ口出しされそう。

 可能であれば連れ合いとバイクでタンデムして出かけるというのが理想なのであろうが、正直なところ昔はともかく今は誰かを後ろに乗せて走る自信がない。乗せる自信があったとしてもレブルのタンデムシートは見るからに乗り心地が良いとはお世辞にも言えず、推測ではあるが、すぐにケツが痛くなるであろう。いやそれ以前に、そもそもが連れ合いに「バイクのタンデムシートに乗る」という気持ちがない。日頃から「バイクに乗って走ることの、どこか楽しいのかまったくわからない」、特にこの酷暑の時期に「このクソ暑い日にようやるわ」と呆れて私に宣うくらいだ。仮に提案したとしても即拒否されるだろう。

 これは仕方がない。興味のない人間に無理強いすることはできない。私が知る限り連れ合いが原チャリに乗ったという記憶はなく(おそらく私と知り合う前も乗ったことがないと思う)、自転車でさえ乗らなくなって20年近くが経っている。そういう人間がいきなりバイクの後ろに乗って「楽しい」と感じるかと考えると確率的にはかなり低いであろう。まだ20代、30代であればちょっとは楽しみを感じてくれる可能性が無きにしも非ずと思えるが、バイク関係ほぼ未経験の60代中盤の老婦人だと「楽しみ」などなく「恐怖」しかないのではないかと思える。もちろん「いきなりバイクの楽しさに目覚める」という可能性は0%ではないとは思うが。

 話が脱線したのでもとに戻す。

 何だかんだと連れ合いと話し、結局ちょっと離れたショッピングモールに行って涼もうということになった。

 午前10時半頃に連れ合いとともに車に乗って某ショッピングモールへと向かった。

 午前11時前に某ショッピングモールに到着。

 最初にモバイルバッテリーを探す。つい先日南海トラフ地震に関係があるかも知れない地震が発生し(こういう時にしか発生しない)防災意識を持った。そこで連れ合いから「もしもの時の連絡のことを考えてモバイルバッテリーを持っておきたい」という要望があった。大地震が起きた時にスマホがまともに使えるかどうか甚だ疑問ではあるが、大地震ではなく例えば豪雨などの災害で停電した場合等を考えるとモバイルバッテリーの一つくらいは持っておいた方が良かろうと思った。

 そういうことでモール内の「無〇良品」や各種携帯ショップ、「ダ〇ソー」等をはしごして見て回ったが、今時のこういったものはご多分に漏れずどれも「Made in china」であるからして品質的に大きな期待はできず基本的には「消耗品」であると思ったので結局「ダ〇ソー」で売られていたものを購入した。

 その後モール内の「G〇」や「ユ〇クロ」、「イ〇ン」にて衣料品を物色。連れ合いは何かしらの服を買ったようだが、私は結局何も購入せず。今欲しいのは冷感、速乾、の長袖のインナー。「G〇」や「ユ〇クロ」にはその類はなく「イ〇ン」で若干売られていたが値段を見るに「この値段で買うのならワークマンの製品を買った方がよい」と思った。

 その後諸々見て回ったが、正直言って歩き疲れてしまった。普段運動をしていないジジイは持久力がないのであった。

 午後1時頃に某モールを出て昼食に向かう。某モール内の飲食店に入ろうかと思ったが、フードコートも各飲食店も人でいっぱい。それに値段を見るに昨今の値上げがやっぱりこういう所にも波及していて「高い!」と思えるようなものばかり。唯一ビュッフェらしき店が待ち時間なしで値段的にも手頃かと思ったのだが、何気に「おとうさんと二人でビュッフェに入っても仕方ないし……」と連れ合いから言われ、そのまま素通りした。(つまりビュッフェという店には親しい友人たちと入ってあれこれ楽しくおしゃべりしながら食を楽しむ場所であって、私のようなイケていないジジイと二人で入るような場所ではないらしい。)それで結局どこかの安いファミレスに向かうことにした。

 しかし、これが後悔することに……。

 約20年ぶりにやってしまった。

 よく通る橋の上で対向車とのすれ違いざまに左の前のタイヤのホイールキャップを歩道に擦ってしまった。この橋は車道が狭く、何とか対向車とすれ違うことができるレベル。とは言ってもこれまでに数えきれないくらい通っているので、いつものように車を(もちろん低速で)走らせていたのだが、対向車が(ババアっぽい人が運転していて)あまり慣れていないようでけっこうこっち側にはみ出してきていたので思わずいつもより左側に寄ったところ一瞬「ザザッ」という音が左前のタイヤ辺りから聞こえた。

「やっちまった……!」

 タイヤの側面を擦ってしまったと思った。

 こういうのっておそらく四半世紀ぶりくらいではなかろうか……。

 大ショックであった。

 午後2時前辺りに目的のファミレスに到着するや否や確認した。しかしタイヤの側面は何ともなっていない。私だけでなく連れ合いにも確認してもらったが何ともない。あの「ザザッ」という音は何だったのだろう。そう思った次の瞬間に気が付いた。擦ったのはタイヤの側面ではなくホイールキャップだったのだ。よく見るとホイールキャップに幾つかの擦り傷があった。タイヤにはまったく損傷がなかったのだが、これはこれでやはり大ショックだった。それで「まさかボディに傷がついたりしていないよな?」と思って左側ボディを入念にチェックしたところ無事であった。あそこがガードレールのない歩道だったから良かった。もしガードレールがあったら間違いなくボディにも傷が入っていただろう。だから大ショックであることには違いないが「不幸中の幸い」でもあったと思うようにした。

 自分でいくら注意していても今回のように相手が下手をこいたりしたらこっちが被害を被ることがある。自分の運転技量の低下もあるだろう。これからはバイク同様、車を運転する際も更に注意せねばならないと思った。

 昼食はサイ〇リアにてカルボナーラ(税込み500円)を頂く。連れ合いはキノコと何かのスパゲティ(税込み600円)。二人合わせて税込み1100円。他と比べたら安く抑えれた。

 とは言え値上げはサイ〇リアといった単価の安いファミレスにも波及していることを実感。値段の数字は変わっていなかったが以前と比べると明らかに量が減っていた。それに注文は自分のスマホでQRコードを読み取ってメニューにアクセスしてセルフで注文。注文したものの上げ下げは店員さんがやってくれるが、水やお手拭きの類は自分で取りに行く。そして支払いもセルフレジだ。つまり人件費の抑制。「企業努力」と言えばそうなのであろうが、そういう店の店員さんの愛想はお世辞にも良いとは言えず機械ができないことを人間が補っているというように思えるレベル。そのうち配膳もロボットなりが行うようになるのだろうが、せめてその時のロボットには客に愛想良く振舞ってくれることを願う。

 しかしそれにしてもよくよく考えると連れ合いと二人で外出した際に立ち寄る飲食店は、安価な回転寿司屋か丸亀うどん系か餃子の王将、低価格ファミレス等の安価な店ばかりだ。だがこれが娘夫婦が加わったりした際は万単位の出費になる店に入ったりする。愚痴になるが、イケていないジジイだからか知らんが、私もお安く見られたものである。

 午後2時半頃にファミレスをあとにして、その近所のスーパー「イ〇ミヤ」に立ち寄り夕食の買物。さほど時間はかからないということだったので私は衣料品をブラ~ッと見て回った。しかしこれと言って目ぼしいものはなく本屋で立ち読み。

 午後3時半頃に自宅に戻る。自宅内は熱気でムンムンしていたので、たまらずエアコン稼働。

 一息ついたところで再び車を確認。やはり左前タイヤのホイールキャップにいくつかの傷があった。

 その後居間で人知れずショックに打ちのめされていたのだが、気が付いたら居眠りしていた。こういう時は眠れるときは寝て時間を経過させてショックを和らげるしかない。なのにまた外に出て車を見た。あれって夢だったのだと思いたかったのだが、間違いなく現実であって夢や幻ではなかった……。

 夕食はお好み焼きと枝豆。

 午後7時半頃に庭の水やり。スマホに何度も「豪雨注意」の通知がきていたものだから、ひょっとしたら一雨来るかと期待していたのだがすべて空振り。諦めて水やりを行った。

 その後テレビ番組やらYOUTUBEの動画やらを眺めて過ごしていたのだが、何気に「永遠の0」という数年前のドラマが放送されていたのでそれを観る。そう言えば今日は終戦記念日だったのだ。世界各地で今も紛争が絶えないしロシアのウクライナ侵攻は止まっていない。以前に比べて世界情勢が悪くなっていると思わざるを得ないが、今のところ自分の周りは(偽りであったとしても)穏やかだ。どうかこれ以上悪くならないようにと願いながらドラマを観ていた。しかしさすがに眠気には勝てなかったので最後の三話中の二話目が終わった時点の午前1時前(頃だったか)辺りで就寝。

 これで休みの3分の2が終わった。

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